高速道路調査会は、1957年12月、わが国の高速道路に関する経済、技術、交通管理、輸送、自動車など関連諸産業との連携等の諸課題について、産・官・学が力を合わせて調査研究を行う機関として、日本道路公団が設立の翌年設立されました。
当調査会は日本道路公団が民営化され、高速道路を取り巻く環境がさまざまに変化していく中、この設立目的を受け継ぎ、独立性のある調査研究機関として高速道路事業を後押しする役割を果たすべく努力を重ねてまいりました。そして「事業を通じ高速道路の価値と効用を高め、社会の持続的な発展と豊かな暮らしの実現に貢献する」ことを基本理念として掲げ、活動を続けております。この間の長年にわたる関係各位のご協力に、あらためて深く感謝申し上げます。
今日の我が国は、少子高齢化に伴う生産年齢人口減少などの社会構造の変化や2050年のカーボンニュートラル達成に向け大きな変革が求められ、また、ポストコロナ社会に対応した働き方改革が推進されています。高速道路においても、自動運転技術の普及、インバウンド需要の増加、ドライバーの高齢化、物流2024年問題などの諸課題に適切に対応した高速道路機能や休憩施設の多様なサービスの提供が求められています。いまや高速道路は単に人や物が移動する空間だけではなく、情報や文化をも高速・活発・快適に運ぶ、国家・経済の発展になくてはならないインフラとなっています。そのためには高速道路は安全であり、今後も発生が懸念される激甚災害、構造物の老朽化に対し強靭でなければなりません。
私たちは、この度中期事業計画(2024-2028)を作成しました。今後も、高速道路の諸課題の解決に向けて、各事業を通じて、人材の育成を図りつつ充実した成果をあげられるよう更に積極的に取り組んで参る所存です。引き続き皆さまの変わらぬご指導とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
2024年9月
公益財団法人 高速道路調査会
理事長 長 尾 哲